前十字靭帯損傷

前十字靭帯損傷の治療

入院について

トイレシャワー・Wifi・TV付の個室で3泊4日、入院した当日に手術を行います。

手術について

全身麻酔で、手術時間は約1時間、術衣に着替えますが、下着は着用したままで、尿道カテーテルは行いません。

リハビリについて

術後3時間すると歩行器を使ってベッドから離床します。術当日から理学療法士がついてリハビリがはじまり、4日目に松葉杖歩行で退院します。
外来では週1~2回のペースでプロトコルに沿って進めていきます。2~3週間の松葉杖歩行のあと、1か月で日常生活が楽になります。2~3か月でジョギングなど部分練習をはじめ、6か月での復帰を目標にトレーニングを進めていきます。すべての復帰基準をクリアすれば完全復帰です。
原則的に装具は使用しませんが、希望時や競技によっては様々なタイプの装具を相談しながら対応します。
遠方の方は当院のプロトコルを参考に近くで行ってもらうよう紹介し定期診察をします。

手術方法について

再建した創

5mm程の穴が2個、2~3cm程のキズが1個で、すべて内視鏡で手術します。膝の後ろにあるハムストリング腱や前にある膝蓋腱を用いて十字靭帯を再建しますが、選手の身体的特徴や競技に応じて手術方法を決定します。再建靭帯はスクリューなどで固定しますが、希望されない限り抜去の手術はありません。

「小侵襲の膝蓋腱によるACL再建術」
膝の前の膝蓋腱(BTB)で再建する場合、当院の特徴は、靭帯を2㎝程の小切開で再建するため痛みが少ないことです。一般的なBTB法よりキズが小さいのがわかります。

合併損傷について

半月板損傷、側副靭帯損傷、後十字靭帯損傷などの合併損傷や、両膝前十字靭帯損傷に対して同時手術も行っています。再受傷による再再建術も対応しています。

保存療法について

前十字靭帯損傷は残念ながら手術になることが多いのですが、最終学年で引退が近い場合、重要な試合が間近にある場合などは、起こりうるリスクとパフォーマンスの低下を説明し十分に相談した上で、当院の保存療法プログラムに沿ってスポーツ復帰し、慎重に経過をみていきます。

手術の予約について

すでに診断をされていてなるべく早く手術を希望される場合は、外来診察の予約時に、MRI持参の有無、手術希望の有無をお伝えください。必要となる術前の血液検査やリハビリ評価もなるべく早く対応してご負担のかからないようにします。

手術成績について

2016年から2021年のスポーツ復帰時期は、ほとんどが6~8ヶ月で、平均7.4ヶ月でした。
2013年から2021年の再断裂率は、同側は4.4%、反対側は3.9%でした。
再手術までの日数は平均21.1±16.6ヶ月でした。

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