ACL

前十字靭帯損傷

手術

膝関節

ACL

前十字靭帯損傷とは

●前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament)とは
大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)を結ぶ靱帯のことで、急激なストップやジャンプ着地、方向転換などあらゆる場面で膝を安定させています。
●どんな症状?
一般的な症状は、「膝がグラグラする」「膝に力がはいらない」「膝が完全に伸びない」などです。受傷時には、強い痛みや出血による腫れが起こります。
●放置したままだとどうなる?
前十字靭帯は血流が少なく自然治癒が難しいとされています。
スポーツを続けていると膝くずれを起こし、半月板損傷や軟骨損傷につながり、将来的には骨が変形する恐れがあります。

治療法

●保存療法(手術をしない治療)
「スポーツをしない」「手術治療のために長期休暇が取れない」「大会を間近に控えており時間がない」などの理由がある場合に適応されます。

●手術療法
スポーツを続ける方にお勧めしています。

●当院の手術方法
前十字靭帯再建術は、ご自身の膝まわりの筋肉の腱を使って、元々あった靭帯の代わりにする手術です。
当院の前十字靭帯再建術には内側のハムストリングス(ももの裏)膝蓋腱(お皿の下)を使う2種類の方法があります。
スポーツ・年齢などを考慮して、主治医がどちらの術式を選択するか決定します。

  ハムストリングス(右膝)     膝蓋腱(左膝)
・膝を伸ばす筋力の回復が早い
・再建靱帯の治癒が遅い
・膝を曲げる筋力の回復が遅い
・膝を伸ばす筋力の回復が遅い
・再建靱帯の治癒が早い
・お皿の下に痛みが残る可能性がある

手術前からスポーツ復帰までの流れは?

手術後の流れは?

手術当日
帰室後より、自室でのアイシングを開始します。
また、看護師と一緒に歩行器で歩いてトイレに行く練習も行います。
手術後1日目〜3日目
手術後1日目より松葉杖を使用した歩行練習や、膝のトレーニングを行います。
術後2日目から退院に向けて、階段昇降や床上動作などの練習を行います。

Q & A

Q:手術前にしてはいけないことは何ですか?
A:炎症症状の悪化や膝折れの可能性があるジョギングやジャンプ、ダッシュ、ストップ、方向転換などのスポーツ動作は避けてください。
Q:術後は装具をつけなくても良いですか?
A:装具を着用しなくても靭帯の回復には影響しないと言われています。ただし、手術内容によっては着用する場合もあります。
Q:術後はすぐに体重をかけても良いですか?
A:当院では術後当日より、痛みのない範囲で体重をかけて歩きます。手術内容によっては制限を設ける場合もあります。
Q:腫れや痛みはいつまで続きますか?
A:腫れは術後1ヶ月ほどでおさまってきます。じっとしている時の痛みは1ヶ月程度、歩く時の痛みは2ヶ月程度でおさまってきます。
Q:いつから職場・学校に復帰しても良いですか?
A:通勤・通学の手段、仕事内容にもよりますが、退院後早期に復帰は可能です。しかし、長時間立っていることや歩いたりすることで腫れや痛みが増大し、状態悪化する可能性があります。術後1〜2週間は安静にすることが望ましいです。
Q:半月板も同時に手術するとどうなりますか?
A:手術時間が長くなり、術後の腫れや痛みが強くなる場合があります。手術内容によっては体重のかけ方や膝の動きに制限を設ける場合があります。
Q:前十字靭帯再建術の術後成績はどのようになっていますか?
A:2016年から2021年のスポーツ復帰時期は術後6~8ヶ月で、平均7.4ヶ月でした。2013年から2021年の再断裂率は、同側は4.4%、反対側は3.9%でした。
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